2009-01-01から1年間の記事一覧

ポール・オースター

ポール・オースターの『孤独の発明』を読む。オースターを読むのは実ははじめてだけど、なかなかおもしろい。 不幸な関係にあった父親をめぐる、なかば自伝的な文章である。その死から話がはじまり、最初はグロテスクな人物に描かれる父親が、やがて、その人…

書評

書評原稿を一本執筆。900字である。新聞で900字というのは、けっして少ない字数ではない。少なくとも日本の新聞のスタンダードでは少ないと言えない。 とはいえ、この字数で本格的な学術書をとりあげるのは、けっして簡単ではない。下手な要約をしてい…

アメリカ政治思想

先日、某通信社の記者で、アメリカ支局長をはじめ、アメリカ取材の経験の長いAさんとお話する機会があった。 このAさん、とくにアメリカ政治思想に通暁され、いくつかの本も書かれている。現代アメリカの政治思想というと、ロールズ中心にリベラリズムの多様…

きー

はっきりと理由は書けないのだけど、いま、とても機嫌が悪い。 カッカしているときはブログは書かない方がいいと思う。怒りにませて書くと、きっと後で後悔することになる。 それはわかっている、それはわかっている、、、でも。 何で、あそこで逆転されるん…

男性も一人、、、

昨日の続き。その座談会は、司会者の方をはじめ、すべての参加者が女性であった。女性のジャーナリスト、研究者、、、記録を取るのも、話を聞いているのも、すべて女性であった。 冒頭、司会者の方より、「ここの座談会では、必ず男性を一人入れるようにして…

座談会

とある女性団体に招かれ、座談会に出席。 それにしても、座談会とか鼎談というのは、どうも苦手だ。一人で話すなら、準備すれば何とかなる。でも、人が増えれば増えるほど、話の流れが予測できなくなる。 Gさんに鍛えられ、台本なし、打ち合わせなし、出たと…

六本木にて

緊急来日のMさん夫婦と密談(うそ)するために、六本木の国際文化会館へ。来年のことがだいぶ見えてきた。 そういえば、先日、国際文化会館の創設者である松本重治の伝記が出ているのを見つけた。この人も、昔から気になる人ではある。松本重治伝 最後のリベ…

三連休終わり

あまりにいい天気。結局、この三連休は学会でつぶれてしまった。申し訳ないので、午前中、DaichiとSatoをつれて公園に行く。 まずはサッカー。しかし、しばらく走り回るとぜいぜい。隣でキャッチボールをしている、僕より若そうなお父さんを見たDaichiに、「…

パワポ

明日のコメントでは、パワーポイントを使おうかと思っている。いちおう読み上げ原稿を作ったのだが、10分でこれを読むにはかなり早口にならざるをえない。内容も内容なので、「何のこっちゃ?」と思われかねない。やはり視覚を通じての情報提供は不可欠だ…

学会懇親会

S学会に出席。研究者以外の方にはわからないだろうけど、学会後の懇親会というのは、ちょっとしたお楽しみである。同窓の友人と「やあやあ」、同じ専門の仲間と「ねえねえ、あの本読んだ?」など、それなりに楽しい。 が、顔見知りとばかり話していても進歩…

はじめての通知表

Daichiがはじめての通知表をもらってきた。いまの小学校は二学期制なので、この時期がちょうど、前期の終わりにあたる。 まあ、小学一年生の成績をどうこういってもはじまるまい。でも、やはりはじめてである。父親として、しっかり見てあげねばならない。 …

黒澤明

忙しくときほど余計なことをしたくなるのは、人の性である。昔、とある国際シンポジウムの事務仕事のピークのときに、なぜか小津安二郎の映画にはまって、夜な夜な家でDVDを見た。ただでさえ忙しいのにそんなことをして、死ぬ思いをしたことをおぼえている。…

赤いおじさん

小学校になると父母の仕事も多くなるが、その一つに、校門での交通整理がある。今日はその当番ということで、張り切って小雨のなか、朝出かける。 とはいえ、実をいうとちょっと不安。何をすればいいのか、よくわからない。赤いゼッケンのようなものをつけ、…

知の融合

週末の学会の準備と、締め切りを過ぎた論文と(また一つ終わったが、まだ、いくつもあるのだ、、、)、来週の研究会の準備を同時並行的に行う。 実をいえば、この三つ、あまり関係がない。が、同時並行的にいろいろやっていると、思わぬ相互融合が生じてくる…

学会

学会が一週間後にある。僕も、そのうちの一つの企画で討論者ということだが、いったい何を話すべきか、いまだ考えがまとまらない。困ったなあ。 一人あたりの話す時間は限られている。その時間内に、どう議論を展開するか。あわわ、あわわと言っていれば終わ…

東京西部、ミシュランの山

最近、寝起きがよくない。何となくぼおっとしたまま、同じくぼおっとして機嫌の悪いDaichiと一緒に、A-sanに励まされてようやく家を出る。 ここのところミシュラン効果で大人気という、東京西部のとある山へ。僕は子供の頃から、ここに登っている。久しぶり…

父子の会話

最近、Daichiに何かいうと、すぐに「うるさいな」という。いや、より正確には「うっちゃいな」という。 こちらも一瞬むっとする。が、まあ、これも反抗期で、独立心の現れかな、とも思う。 一緒にじゃれて遊んでいるときなど、まだまだかわいいものだが、そ…

社交も大切

1歳になったSatoは、まだつかまり立ちしかできないが、得意技が2つある。 1つは、片手をあげて「よっ」とあいさつする。いささか田中角栄風である。 もう1つはお辞儀である。人のを見ておぼえたのだろうが、頭を「カクッ」と下げる。はじめは頭が重いの…

イメージが大切

小学生にとっての8月31日は、大学の先生にとっては9月30日ではなかろうか。 8月31日(いまは、もう少し早くなっているのだが)、小学生はたまった宿題を前に青くなり、来年はきっと計画的に宿題をやろうと決意する。9月30日、大学の先生は、たま…

ポニョ

遅ればせに『崖の上のポニョ』をDVDで見る。 う〜ん、途中まではけっこう面白く見る。絵もきれいだし、悪くないぞ。現代版、人魚姫の話か。 ただ、途中、海があふれ、町が水没するあたりから、話が見えなくなっていく。これって深層心理の世界? だめだ、理…

『対論・異色昭和史』

鶴見俊輔と上坂冬子の対談『対論・異色昭和史』を読んだ。 対論・異色昭和史 (PHP新書)作者: 鶴見俊輔上坂冬子出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/04/15メディア: 新書購入: 1人 クリック: 12回この商品を含むブログ (31件) を見る 何とも不思議な組み…

本屋のない町

僕がいま住んでいる町には、本屋が一軒しかない。駅前の商業施設内にあるチェーン店である。昔はあともう一軒、小さな町の本屋があったが、時勢に抗せず、あえなく閉店に追い込まれてから数年たっている。 ちなみにこの町、美容院だけはたくさんある。50メ…

無料体験

結局のところ、うちはけっこう教育パパ、ママではないかと思うのは、各種の無料体験に応募するのが大好きだからだ。 これまでにも、水泳教室、サッカー教室、体操教室、公文、科学教室に参加してきた(Daichiが、である)。 といっても、どこも無料体験どま…

オーラル・ヒストリー

オーラル・ヒストリーに初挑戦。オーラル・ヒストリーとは、歴史研究のための資料として、関係者から聞き取り調査を行うことである。結果を文書として編集し、最終的には本人のチェックと承諾を得る。 僕も職場の共同研究で、これまでも聞き取り調査は体験し…

またも打ち上げ

先日『クローズアップ現代』で職場の共同研究をとりあげていただいたNHK関係者との打ち上げ。視聴率もよかったようだし、ふだん番組を見てくれない若い人からの反応も大きかったようだ。よかったよかった。 もっともこの研究は結局のところ何だったのか、現…

『夕べの雲』

先日亡くなった小説家の庄野潤三は、とくに好きでよく読む作家とは言えないものの、『夕べの雲』などは気に入って何度か読み返した。 川崎市の生田の岡の上にひっこしてきた主人公の家族が、風に吹きさらしの岡の上にくらす。風をよけるために植物を植える話…

友愛

鳩山首相の「友愛」というのは、いったい何なのだろう。祖父の鳩山一郎ゆずりであるという。 少なくとも鳩山一郎においては、この言葉に敏感であったはずである。カレルギーに由来するというこの概念、フランス革命にいう「自由・平等・友愛」の「友愛(フラ…

藤田省三

ここのところ、何かと藤田省三と縁がある。昔から好きな思想史家の一人である。この際、もう一度、ちゃんと読み直しておこうと思う。 と言いつつ、最初に手にとったのは『精神史的考察』。もう何度も読んだ気がするが、何度読んでみても、新鮮さがある。 丸…

運動会

Daichiの運動会に行く。Daichiは今年、小学校1年生で、弟のSatoは6歳違いなので、これから僕は連続12年、小学校の運動会に参加することになる。人生、まだ先は長いな。このおつとめが終わる頃には、54歳になっているはずだ。 見ていて思ったのだが、小学生…

80年代

今日の毎日新聞には、村上春樹のインタビューがのっていた。これによると、『1Q84』の第3巻を現在執筆中ということである。な〜んだ、やっぱり第3巻があるんだ。もっとも、村上によれば、最初からそのつもりだったわけではなく、後になって、やっぱり第…