藤田省三

 ここのところ、何かと藤田省三と縁がある。昔から好きな思想史家の一人である。この際、もう一度、ちゃんと読み直しておこうと思う。


 と言いつつ、最初に手にとったのは『精神史的考察』。もう何度も読んだ気がするが、何度読んでみても、新鮮さがある。


 丸山学派らしい論理の緻密さ、あざやかなレトリックに、なんというか人類学的視点が加わる。


 隠れん坊から説き起こして、現代人の精神を説く。藤田の真骨頂であろう。