友愛

鳩山首相の「友愛」というのは、いったい何なのだろう。祖父の鳩山一郎ゆずりであるという。


 少なくとも鳩山一郎においては、この言葉に敏感であったはずである。カレルギーに由来するというこの概念、フランス革命にいう「自由・平等・友愛」の「友愛(フラテルニテ)」であるという。日本では一般に「博愛」と訳されるこのことば、ニュアンスからいえば、人類への普遍的愛というより、兄弟愛、同志愛に近いので、「友愛」の方が正しい訳であろう。


 鳩山一郎にいわせれば、この概念は、自由と平等を補完し、結合させるためのものであるという。フランス革命後、フランス本国においても、この概念は多様に解釈されてきた。そこからいろいろな問題もおこしてきた。


 あやしくも魅力のある概念である。さて。