ハーヴァード大学

 ハーヴァード大学に出張した。この大学に行くのは3度目だと思う。ペーパーを読む機会を与えられたのははじめてではないか。


 しかし、今回僕は、大平正芳の研究会を中心に、現代日本政治の転換点を論じた。これはこれで、僕としては大切なテーマであり、けっこう反響もあったので、その限りでは悪くない(というか、ありがたい)出張だった。


 とはいえ、僕が外から声をかけてもらうのは、フランスであれ、アメリカであれ、日本関連であることが微妙な気分をもたらす。まあ、なかなかトクヴィル研究者として声をかけてもらうのは難しいのだ。今回も、大平をトクヴィル主義者として読む点にポイントがあったので、それなりにトクヴィル研究者の意地をみせたつもりだけど、どんなものだったろうか。


 今回、ハーヴァードの日本研究者のみなさまとお話できたのは良かったと思う、ただ、飲み会を含め、深い話をできたなあと思うのは、日本人研究者が多かった気がするのはどうなのか。結局、日本を出ても、日本人とつるんでいると自己批判すべきか、あるいは在外だからこそ、日本人研究者と深い話をできたとするべきか。


 声をかけてもらえる限り、あるいはそうでなくなっても、ペーパーを読みに、出張したい。ここで踏ん張らないと、とあらためて実感した。