キャッチボール

 Daichiとキャッチボールをするために近所の緑地に出かけた。先日の雪でややぬかるんでいるけど、天気がよくて気持ちがいい。


 Daichiは早々に野球にあき、遊具で遊び出す。あたりがぬかるんでいるので、たちまちどろんこに。


 はりきっていたくせに早々にグローブとボールを放り出したDaichにちょっと腹をたてた僕は、少しばかり意地悪を思いついた。Daichが一人でひょこひょこ行ってしまったので、近くにあった木の影に隠れてみる。僕の姿が見えなくなると、少しは慌てるかなと思ったのだ。しかし、待つこと数分、いつまでたってもDaichは慌てる様子がない。サッカーをやっている親子を眺めたり、泣いてる子どもをのぞいたり、遊具にのぼってみたり。あんまり動揺しないので、こちらが我慢しきれなくなり、ちょっと姿を出すと、たちまち気づいて「なんだ、そこにいたのか」。やれやれ。


 僕が思っているより、Daichiは一人でいられるんだな。親が側にいなくても、自分のペースで遊んでいる。なんだかちょっと感心したけど、少しだけ残念な気もした。