理論家

 僕が「この人はすごい」と思う理論家に共通する特徴がある。個別の指摘にはハッとさせられる。でも、そのような指摘をつないで全体像を描こうとすると、どうもよくわからなくなる。


 周りの人は、何とかその全体像を捉えるべく、あれこれ網をかけて理解しようとする。本人も意を尽くして説明してくれるのだが、やはりどうしてもつかみきれない部分が残ってしまう。


 しかしながら、そのつかみきれない部分にこそ、その人の「世界像」が感じられる。それだけに、周りとしても、その「世界像」を少しでも知りたいと思う。ということで、また話を聞くのだが、やはりわからない、、、


 今日、僕のいまいる職場に長くつとめられたH先生の最後の報告を聞いて、そのような理論家の姿を見た気がした。