活性化
一つの仕事がようやくゴールが見えてきた。さあ、次の仕事である。
あいまに柄谷行人の『トランスクリティーク』(岩波書店)を読んでいる。僕は昔から彼のファンであり、彼の理論的探究についても『探究I』、『探究II』と読んできた。いわば、その総決算がこの本であり、今回、もう一度読み直してみて、やはり読みごたえがあると思った。
何よりも思考が喚起される。読んでいると、いろいろアイディアがわいてくるのだ。いや、何も、この本から直接的な示唆が得られるというわけではない。むしろ、この本を読んでいて、なんだか頭が活性化してきて、いろいろ他のことについても、見通しが浮かんでくるのである。こういう本は、あまりない。
思えば人類学者のレヴィ=ストロースは、論文を書く前に、必ずマルクスの『ルイ・ナポレオンのブリュメール18日』を読んだという。これを読んでいると、頭が活性化するのだという。まあ、レヴィ=ストロースと比べるのも何であるが、僕にとって『トランスクリティーク』は、そういう本なのだろう。
さあ、活性化した頭で、今月末のラストスパートと行きたい。