新書

 夜、帰宅すると、ちょうど「クローズアップ現代」をやっていた。新書の特集ということらしいが、僕がみたときは、岩波新書の話であった。4月からリニューアルをするものの(その第一弾が柄谷行人ということで、びっくり)、それでも基本的には「教養路線」を変えない、という話をしていた。どうも番組の趣旨として、「さおだけ」に代表される新しい新書の傾向と、古い教養路線を対比したいようだ。


 しかし、まあ、結局新書の本質はその長さなのであろう。「教養路線」という岩波新書だって、出てきた当時は、有名な先生の話を、てっとりばやく早わかりするためのものだったはずだ。読もうとすれば一気に読めるが、その気になれば、それなりの知的世界をコンパクトに展開することもできるメディア。そういうメディアとしての性質をうまく利用したおもしろい新書が読みたいものだ。