シンポジウム

 職場のシンポジウム。90年代日本の経済危機に関して、製造部門は堅調で金融部門に問題があったという解釈が提示される。産業空洞化やサービス産業化についても、その立場から留保がつけられる。それなりにもっともな仮説ではあるが、本当に製造部門は堅調だったのかなど、かなり本質的な疑問も出され、なかなか興味深いシンポジウムであった。政治に関しては、90年代から小泉改革にかけて、変わったのは政策内容よりも決定の仕組みであるとする仮説に対し、いや社会保障分野などにおいて、かなり本質的な政策変更があったとする反論があった。これはこれで、なかなか興味深い議論であった。職場の過去5年ほどの共同研究の総まとめというべきシンポジウムであったが、単なる儀式には終わらず、それなりの議論が展開されたのは、まあ、良かったのでないか。