ポスト・コロニアルなみかん太郎

 最近、Daichiと布団を並べて眠る際に、創作昔話をしている。タイトルは「みかん太郎」。


 みかん太郎は、いつもテレビばかり見ていて、なかなか鬼ヶ島にでかけない。しかし、周りをやきもきさせたみかん太郎だが、ようやく重い腰をあげ、鬼ヶ島に向かった。


 よく言われることだが、桃太郎が鬼ヶ島に行って、鬼を一方的に悪役と決めつけて退治し、しかも宝までとってくるのは、ひどい侵略行為にも思える。Daichiにそう言うと、「それはたしかに、ひどいねえ」という。ということで、ポスト・コロニアルな時代のみかん太郎は、ユニラテラリズムを放棄することにした。以下、話が続く。


 鬼がみかん太郎の顔を押すと汁が飛び散り、それが目に入った鬼は、目にしみてのたうち回る。そこで、親切なみかん太郎は、目薬を鬼に差してあげる。すっかりよくなった鬼は、みかん太郎に感謝して、宝をくれる。めでたしめでたし、みかん太郎は宝を持って、ふるさとに帰りました、、、


 あまりにご都合主義的な話かな。「みかん太郎が鬼と友達になったという方が、もっといい話になるね」とは、Daichiの感想であった。


 いや、政治的に正しい昔話も難しいのだ。