獄中読書生活

 年末のばたばたした日々を送る中、佐藤優の『獄中記』(岩波書店)を読む。すこぶるおもしろい。


 正直言って、彼の犯した罪とされるものが、彼自身言うように「国策捜査」によるものであったかどうかは、僕にはわからない。が、ある時期に日本の外交・内政における大きな転換があり、彼はその転換にまきこまれたのだという説明は、それほど不自然には思われない。


 それ以上に興味深いのは、獄中での彼の読書生活。彼の学生時代の専門である神学関係の他、ラテン語やドイツ語などの語学勉強、ヘーゲルハーバーマス広松渉、、、獄中というのはアクセスできる書物が限られるだけに、かえって禁欲的に勉強できると彼はいう。一人の思索する人の精神的手記として、強い印象を受けた。


 僕も来年はもう少し集中的に勉強したい。