小森陽一

 小森陽一の『村上春樹論』(平凡社新書)を立ち読み。しかし、すごい本だなあ。小森によれば、村上の『海辺のカフカ』は、女性嫌悪に貫かれた本であり、個人の暴力を国家の暴力と短絡するばかりか、さらには日本の戦争の記憶を忘却させることを目指した小説ということになる。う〜む、すごい独断だ。


 そりゃあ、いくらなんでも、というのが素朴な印象。ただし、かなり一方的で強引な議論が目立つものの、それなりにきちんと考えてみないといけない部分もないわけではない。ちょっと宿題。