人前で話すということ

 人前で話すことが少し好きになった気もするけど、やっぱり難しいと思うことの方が多い。


 きっかけは希望学の釜石調査。調査をするばかりでは、地域のみなさんに申し訳ない。少しでも還元しようと、出前講義のようなことをするようになったのが、一般の方の前で話すようになる端緒であった。


 最初の頃は、結構悲惨だった記憶がある。地方でお話しさせていただく場合、やはり参加者は高齢の方が多い。少しでもぼんやりした話をすると、みなさん気持ちよく眠ってしまう。なんとかしようと思えば思うほど、どつぼにはまる。やっぱり難しい。


 お手本にしたのは、職場の同僚Gさん。しかし、この人はやはり天才であり、なかなかまねできない。同じネタを話しても、僕がやるとどうもうけないのだ。


 大切なのはまず、話す本人が楽しそうに話すこと。なんだかよくわからないけど、この講師、楽しそうだなと思うと、みなさんも少しは聞いてみようという気になる。そのために必要なのはやはり、講師自身が自信をもつこと。しかしこれがなかなか難しい。反応が弱いと、どうしても弱気になってしまう。


 うまく行く場合、2〜3人くらい、お客様のなかから反応のいい人を見つけられるこが大切である。「うん、うん」とうなずいてくれる人を見つけられると、講演者はかなり励まされる。反応がよければよいほど、話し手は元気が出てくる。その好循環をいかにつくるかが大切だと思う。


 やはり、相手をみながら、話さないといけない。どの話題なら、関心をもってもらえるか。少しずつ、話題をふりながら、相手の反応を見定めるのが肝心だと思う。うまくのっていければ、一気にいける。まあ、うまくいかない場合もあるけど、そのときにどう立て直すかも、重要な技能だと思う。


 修行、修行。いつまでも楽しげに話す人でありたい。