新聞を読んで

 その後、まあ、いろいろなことがあった。一月末の締め切りラッシュで悪戦苦闘したツケが来て、熱を出して数日寝込んだとか(その間も締め切りがあって、はって研究室まで行って原稿を書いたとか)、Daichiの絵の表彰式があって、こっちはちょっと誇らしかったとか、Daichiのサッカーチームの連敗がようやく止まったとか、そんな類いである。言い方をかえると、特段たいしたことはなかったということだ。


 この間、最近さぼり気味だった新聞をわりと熱心に読んだ気がする。理由は二つあって、一つはオバマの一般教書演説、もう一つはエジプトの動きである。


 オバマの演説はひさしぶりに彼らしく生気のあるものであった。その後の報道をみても、わりと好意的に受け止められているようだ。中小企業の「ちょっといい話」を満載して、「俺たちはでっかいことができるんだ」とぶち上げたスピーチは、アメリカ国民を発奮させるという意味では、なかなか成功だったと思う。まあ、それにしても「スプートニク・ショック」という物言いからしても、アメリカが科学技術で世界の遅れをとりつつあるという危機感がありありと出ていて、「う〜む」と思わせるものがあった。まあ、それから言ったら、日本ももうちょっと自分たちのことを騒いでもいいんだけどね。


 エジプトの動きについては、日本ではイスラム原理主義の動きに言及する向きがあったようだが、こちらの報道では今回の政変でイスラム勢力の動きは鈍いということで、むしろFacebookを使った若い人々の動きに注目が集まっている。「Facebookによる革命」というのは、なかなか興味深いと思う。


 ちなみに今度はアルジェリアでも動きが生じているように、中東アフリカは動乱が続きそうだ。この間、New York Times、Le Mondeと日本の新聞を読み比べ、場所によって、見えてくる世界地図というのはまったく違うのだな、とあらためて感じた。