フィラデルフィア、ニューヨーク

 帰路は、フィラデルフィアとニューヨークをたどるコースにした。途中ボルチモアを通過すると、「ああ、ここがオリオールズのスタジアムか。上原はここだっけ』、フィラデルフィアでは「フィリーズは意外にいい球場を使っているな。貧乏球団のくせに」など、どうも野球場ばかりが目につく。


 ワシントンではリンカーンキング牧師について講釈をたれ、フィラデルフィアではインディペンデンス・ホールによってアメリカ独立の意義を解説するなど、いささかうっとおしい父親であった気がするが、まあ、少なくとも父親の側では満足した。それにしても、アメリカというのは、政治教育をしやすい国だと思う。建国以来の歴史を語ると、どうしても自由、平等、デモクラシーの歴史を語ることになる。もちろん、それは建前であり、現実はそれ通りではないのだが、少なくとも建前が建前でしかない日本とは違う。


 今回、結局、大雪の被害はほとんど被らなかった。さすがにニューヨークではいまだすごい雪が残っており、自動車はうもれ、道路はふさがるなど、道路状況に支障が残ったが、幸い僕らの旅行にはほとんど影響がなかった。


 それにしても、ニューヨークまでのドライブはかなり時間がかかり、ついたのは夜7時過ぎであった。ぐったりと疲れた目にも、やはりマンハッタンの夜景は美しく映った。