コーヒー

 イサカに帰って以来、零度を下回る気温の日が続いている。最高気温でもマイナス5、6度くらい、最低はマイナス10何度、なんて日もある。東京のくらしに慣れた軟弱な身には、だいぶ寒く感じられる。家を出るときは、手袋をして、フードをかぶり、としっかり準備しないといけない。DaichiやSatoも、すっかり北国の子らしくなってきた。


 雪は降ったり、降らなかったり。降ってもいまのところドカ雪はない。ただ、晴天の日も少なく、日中小雪がまう日が多い。これからも、たぶん、こんな調子だろう。


 朝、研究室に向かい、夕方前に家に帰る。その間、昼食をとるのを兼ねて、大学図書館に行く。単調な毎日だけど、こういう生活は嫌いではない。


 昼食は、ほとんどいつもサンドイッチ。飽きてきたけど、まあ、仕方ない。これとカップになみなみに入れたコーヒー。毎日、ほとんど変わらない。


 それにしても、アメリカ人は、なみなみに入れたコーヒーが好きだなあ。学生さんたちは、自分のマグカップをもち、これにたっぷりとコーヒーをそそいで、うれしそうに飲んでいる。フランス人だったら、ちっちゃなカップに入れたエスプレッソだろう。でも、ここでは、マグカップになみなみに入れたコーヒーの方が、何となく相応しい気がする。


 アメリカンというと薄口である。たっぷり飲むのが好きなアメリカ人には、少量のエスプレッソはどうも似合わない。スターバックスにしても、ラテは、少量のエスプレッソをたっぷりのホットミルクに注ぐ。やはり、「なみなみ」が好きなのであろう。


 だから、どうだ、という結論はなし。ただ、僕も、何だか「なみなみ」が好きになったということ。以上。