中間選挙

 アメリカで中間選挙が終わった。予想通り民主党、およびオバマ政権にとってきびしい結果となった。が、僕に言わせれば、予想した範囲では、それほど厳しくない方の結果にも思える。まあ、さんざん、民主党苦戦苦戦と言われていたために、鈍感になってしまっているだけかもしれないけど。


 あんまり気乗りしないけど、日米の新聞の論調を読み比べている。概してアメリカの報道では、今回の結果は折り込み済み、という論調が目立つ。ティーパーティーの躍進はあったものの、目玉候補の内の結構な人(オドネルとか)が落選している。カリフォルニアでは、二人の女性元CEOの知事選・上院選への挑戦が話題になったが、二人とも成功しなかった。ニューヨーク知事選ではクオモが勝ったし、まあ、民主党の惨敗ではあることには変わりないけど、衝撃的、というほどではない感じ。僕が購読しているのが、リベラル派のニューヨークタイムズのせいかもしれないけど。


 それに比べると、日本の報道の方がセンセーショナルな書き方をしている。「歴史的惨敗」とか、「なぜオバマは失敗したのか」みたいに。う〜む、中間選挙で大きく議席を減らし、議会のコントロールを失った大統領なら、過去にもいる。そこから持ち直した大統領も少なくない。そもそもアメリカは議院内閣制ではないので、議会での多数派の喪失=政権の終わり、ではない。なのに、この書き方だと、オバマの失敗は既決事項という感じだ。ほんとうにそうなのかしらん。冷泉彰彦さんが書くように、何だか日本の論調では、オバマ憎しが先行している気もする。


 勝った共和党もバラバラだし、ティーパーティーも今回の中間選挙でおおいに飛躍したというほどではない。オバマの今後の政権運営がとても難しいものになることは間違いないけど、まだまだこの先はわからないと思う。まあ、オバマの真価がいま問われていることは否定しないけど。