報告

 外国語で報告をするのははじめてではない。世界政治学会をはじめ、何回か英語で報告をしているし、フランス語でも二回ほど報告をしたことがある。とはいえ、なんどやっても緊張する。こればかりはやはり場数だろう。まだまだ経験がたりない。


 今回は事前にペーパーの提出が求められており、ようやく先週なんとかフル原稿を提出した。が、参加者はペーパーを読んできていることを前提に、実際の報告時間はわずかに15分。セミナー全体は1時間40分なので1時間以上は質疑応答が続く。こちらの方がつらいなあ。


 夏の語学研修でプレゼンテーションはだいぶ練習したので、パワーポイントを使いつつ、15分のプレゼンテーションはつつがなく終わる。問題はそれからだった。


 いやあ、出るわ出るわ、次から次へと質問が飛び出す。それもけっこう厳しい質問ばかり。最初はスタッフやビジティングスカラー中心だったが、その後はロースクール(僕の今回の所属はロースクールなのだ)の学生さんたちからも発言が続く。


 まあ、今回、デモクラシーと宗教という、自分にとっての新ネタということもあり、いただくコメントや批判の多くは「まあ、その通りだなあ」というものが多かったが、認めてばかりもいられない。いまの自分に言える内容を、必死に話し続けた1時間40分であった。


 日本語の場合なら、話しながら質問への答えを考えることもできる。しかしながら、英語の場合、そのような芸当もできず、ともかく思いついたことをかたっぱしから英語にしていくしかない。当然、英語はどんどんあやしくなるばかりだが、それでもいろいろ手を変え品を変え、沈黙に陥ることなく、話し続けたのは我ながらえらいと思った(そのように自分を慰めておこう)。


 終わってみてぐったり。このひと月以上、報告のことが頭から離れることはなかったが、ようやくこれで僕も新学期が始まった気がする。はあ。