日本

 Daichiもアメリカにだいぶ慣れてきたであろうということで、ときどきカマをかけてみる。「Daichiもこっちの生活、楽しいだろう。このまま、アメリカにいる?」。そうすると、つねに返ってくる答えは同じである。「ぜったい、やだ」。


 実をいうと、Daichiと保育園で一緒だったS君は、ご両親とともに今年からアメリカに定住することになった。ということで、「S君はこれからもずっとアメリカにいるんだよ。それに比べるとDaichiは10ヶ月しか、アメリカにいないんだけどな」と言ってみても、「それでも長い」。


 ちょっとだけ、彼に「アメリカにもう少しいてもいいんだけどな」と言ってほしい気もするのだが、まあ、それはいいとしよう。面白かったのは、先日、サッカーのワールドカップで日本が予選を突破したときのこと。


 Daichiはレポート用紙を何枚かくっつけて横断幕を作った。そこに書かれているのは「日本、よせんとっぱおいわい会」である。何と式次第も作ってくれた。なになに、、、


 最初はDaichiのあいさつ。ははあ、、、次は乾杯。まあ、お祝いに乾杯はつきものだよな。それからいくつかあって、最後は「みんなであくしゅする」である。どうも僕の役はないらしい、、、


 というわけでDaichiの式次第にしたがって、会を粛々と挙行する。いやはや、Daichiのペースである。すっかり「日本」の意識に目覚めたようだ。まあ、「世界のなかの日本」という意識は悪くないけどね。