ホームカミングデー

 年度末を迎えたキャンパスでは、学生さんの姿も見えなくなり、ひたすら静けさにつつまれている。


 と思っていたら、今日はとつぜんキャンパスに人と車があふれている。卒業生のホームカミングデーのようだ。至るところに会場が設置され、臨時の駐車場もできるなど、大学はにわかにお祭り気分。


 目につくのは、いかにも、という感じのお年寄りカップルの姿。うれしそうに肩を並べて歩いている。「ここで勉強したんだよなあ、、、」という会話が聞こえてきそう。


 購買部でも、大学のロゴの入ったグッズが飛ぶように売れている。何と言うか、日本の大学から来た身にすると、実にてらいのない愛校心に見える。


 フランスの大学生は、ぜったい自分の学校のロゴの入ったシャツなんか着ないだろうなあ。そもそも、そんなものないだろうし(ノルマリアン=高等師範学校生というロゴの入ったシャツを着たフーコーなんて、想像しただけで、何だかシュールだ)。日本でも、そこまで素直な愛校心の顕示は珍しくなっているのではなかろうか。


 とはいえ、みんな実に楽しそうである。まあ、こういうところに来て楽しめる人しか来ないのだろうけど、それでもまあ、「ともかく楽しめるときは、楽しんじゃえ」と盛り上がれるのは、アメリカの良さではあろうと思う。