アメリカから見る

 日本の首相の交代劇をアメリカから見ている。ただ、ニューヨーク・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなどを読んでいても、報道のやる気のなさというか、熱のなさばかりを感じる。


 アメリカの基地問題が原因で一つの政権が吹き飛んだのだから、そのことについてもう少し議論があってもいいと思うのだが、そのようなニュアンスはまったく感じられない。


 「4年間で5人の首相」という表現が目立つのは、「いいかげんにしろよな」といういらだちの現れか、あるいは単にあきれているのか。菅直人が活動家の出身であるということも、警戒のトーンとともに語られている。経済的知識なしに蔵相をつとめた(「サミュエルソンの教科書の最初しか読んでいない」)などと、明らかに悪意ある表現も。


 これからこちらで「日本の政治はどうなっているんだ」と聞かれたら、何と答えるべきか。どうせ誰も聞いてこないだろうと思いつつ、考えている。