I先生

 今日の研究会は、核不拡散・軍縮とガバナンスがテーマ。スピーカーは、あのI先生である。国際政治学者で、元軍縮大使で、元少子化担当相で、、、のI先生である。実をいうと、直接話を聞くのは初めてである。


 核抑止力論から始まって、核拡散防止条約、そしてオバマによる「核なき世界」構想に至るまで、うわさ通り、実にパワフルな語り口である。そして予想以上に、理想主義的な傾向が強いのが印象的だった。


 しかし、ある意味で一番面白かったのは、民主主義論を口火に展開されたI先生的現代「思想」論である。「予防の時代」、「アンチ・ヒロイズム」から始まって、「アスリートのピーク・パフォーマンス」、「リタイア後の人生」、「プロセスとオーナーシップ意識」など、そこで語られた主題だけを並べると「???」だが、まことに縦横無尽な議論の展開であった。ある意味、これほどカラフルな話し方をされる方とは思わなかった。


 予想外の展開ではあったが、これはこれでガバナンスを考える上で、いろいろなヒントをもらった気がする。そうか、こういう人だったんだ。