眼鏡と繊維

 福井調査の研究会。福井県の製造業というと、眼鏡や繊維産業が有名だが、その調査方法についてが主題だった。


 僕の本来の専門は、政治思想史。それもフランスが中心のはずだが、いつのまにか、こういう地域調査や企業調査の話を、何の違和感もなく聞いている。


 というか、むしろ、こういう話を実におもしろいとさえ感じている。


 僕が研究する思想家のトクヴィルは、アメリカに行き、そこでまさに地域調査をしたわけだ。大統領からはじまって、荒野の開拓民まで、いろいろな人の話をひたすら聞いてまわっている。まあ、それを思えば、僕の今やっていることも、それほど逸脱ではないんじゃないかな、という気もする。いや、これは強引な正当化か。