二人の重治

 書評の関係で二冊の本を読む。一冊は前にもこのブログで書いた松本重治についての伝記。戦前の知米派ジャーナリストで、戦後は国際文化会館を通じて日米の知的交流に尽力した人物である。

松本重治伝 最後のリベラリスト

松本重治伝 最後のリベラリスト


 もう一冊は、中野重治についての新書。こちらは紹介するまでもなく日本のマルクス主義的知識人を代表する文学者である。ちなみに福井の出身でもある。

戦後日本、中野重治という良心 (平凡社新書)

戦後日本、中野重治という良心 (平凡社新書)


 一方はリベラリスト、他方はマルキストだが、いずれも骨太な人物であり、ある種、戦後日本の「良心」を体現した人であろう。


 調べてみると二人の生年は近く、ほぼ同世代と言える。重治という名前も一緒だし。


 二人の重治さんに、しばし思いをはせた。