6歳差

 DaichiとSatoは6歳離れた兄弟である。6歳も離れているのだから、Daichiも一種、親の立場になって弟に接するのではないか、と思っていたが、そうでもない。


 すばしっこいSatoは、はいはいで家中のどこにでも行けるようになった。これまで一人っ子として育ち、すきだらけのDaichiの背後からそそっとせまり、ぱっとおもちゃをとる。気づいたDaichiが怒っても、Satoは平気な顔をしている。おもちゃをとりあげられようものなら、大声で泣いて親にアピールする。


 性格もだいぶ違うようだ。慎重で、あぶないことなど決してしようとはしなかったDaichi(その意味で、安心な子であった)に比べ、Satoはあらゆるものをこじ開けて顔をつっこみ、急な階段でもずりばいでどんどんよじ上って行く。「あぶないっ」と叱っても、「バレたか」という顔をしてニヤッと笑う。


 ああ、いかんなあ、この調子でいくと6歳差なんて、あっという間につめられてしまうぞ。


 Satoがカタカタ(赤ん坊の手押し車)で遊んでいるのを眺めていたDaichi。後で一人になったとき、なぜか自分もやっていた、、、小学生なんだけどね。だいじょうぶかなあ、、、