引っ越し作業

 ほんとうは今日は京都に行くはずだったのだけど、うず高く積み上げられた段ボールを前に、勝手を言って東京残留である。雨が降るなか、一日、黙々と本を箱から出し、書棚に入れる作業。


 一つひとつ箱を開けながら、どきどきする。中から何が出てくるのだろう。自分で入れておいて「どきどき」もへったくれもないのだが、一年前に入れた箱など、何を入れたか記憶がはっきりしない。一年間、倉庫で眠っていた箱を開けると、「ははあ、そういえば、僕はこんな本を持っていたんだな」という本が出てくる。中には、「ない、ない」と探したあげく、また買ってしまった物もある。「なんだ、ここにあったのか」。やれやれ。


 去年、退避先にもっていく本を選ぶにあたって、わりと現代ものが多かった気がする。当然のことながら、倉庫から出てきた本は歴史系が多い。自分が、これまで勉強してきたのは何だったのか、あらためて振り返ってしまった。


 それにしても、開けてみてびっくりしたのだが、すべての本棚がほとんど埋まってしまった(僕の研究室は、いまのご時世、かなり恵まれた広さなのだが)。これから先の長い研究人生で買う本はどこに入れたらいいのだ。


 今後もちゃんと勉強をしてきたい。本はたくさん買いたい。さて、どうしたものだろう。本は売りたくない、捨てたくない。はあ、、、