海外の報道

 選挙が終わった。選挙の感想については、ここではとくに書かないことにして、海外での報道について一言二言だけ。


 昨日、選挙結果がだいたい出たあたりで、ふと海外での反応が気になり、『ル・モンド』、『ニューヨーク・タイムズ』などいくつかのサイトをチェックした。さすがにどこでも大きな記事の扱いであり、ここのところ、すっかり興味の外に置かれ気味だった日本も、久しぶりに関心を呼んだようだ。


 基本的な論調としてはいずれも、おおよそ好意的に論評している。一時的な例外こそあれ、ほとんどつねに政権の座にあった自民党の長期支配の終焉を、日本政治の大きな転換点として受け止めているようだ。


 面白いのは、民主党の位置づけだ。「社会政策に基本的には積極的な中道政党」という評価が目につく。まあヨーロッパ的な意味での社会民主主義政党や、アメリカ的な意味でのリベラル政党と言い切れない分、微妙な表現になる。この党の本質について、海外のメディアも、どう理解すべきか、模様眺めという感じである。


 対外政策について、鳩山の「より対等な日米関係」という発言をどの程度本気にとっていいのか、これまた模様眺め。フランスの報道では、若干期待を込めて、日本がアメリカに対しより独立的になり、アジア志向が強まるのではないかとする。アメリカの報道では、もう少し、この発言を留保付きに受け止めようとする傾向が目立つ。


 それにしても、鳩山は好奇心の対象になっている。髪型について、大学の経営工学の先生だったという経歴について、そしてやはり大金持ちの政治的家系出身ということについて、「なんとなく不思議な人物だ」という調子で書かれている。


 鳩山は自らの「友愛」の哲学を論じて、フランスの「フラテルニテ」に通じるものであり、汎ヨーロッパ主義を唱え「EUの父」ともされるカレルギーから学んだとさかんに言っているのだが、残念ながら、そのことへの言及はなかった様子。う〜ん、まあ、そりゃあね。