話を聞く

 島にいるとき、何度かタクシーにのった。なんとなく、運転手さんと話をする。島を出て行った若者たちはどこに行くのか、戻ってくる人たちはどれくらいいるのか、戻ってきた人たちの暮らしは、、、


 車を降りてから、側で話を聞いていたA-sanが言った。「昔は、タクシーの運転手さんと話をするタイプじゃなかったのにね」。


 「いろいろ、インタビューをやっているからね」。少し、自慢げに答えた。


 「でも、なんだか調査風ね」、、、


 う〜ん、その通りかもしれない。インタビュー調査に慣れてきたのはいいけど、どうも、悪い意味で、それらしくなりすぎたのかも、、、


 人から話を聞くことは大切だ。それは現代における重要なテクニックである。でも、それがテクニックだけになっても、何かが失われる。難しいところだ。[[]]