テレビ

 今日、出席した会議に、テレビの取材が入った。凡人である僕は、カメラを向けられると、どうにも落ち着かなくなる。は〜つかれた。


 僕とテレビの関係。学生の頃、とある討論番組に出席した。役割意識の強い僕は、何だかひどく「優等生」の役割を演じてしまった気がする。


 大学院生の頃、大学の門を出たところで、いきなりマイクを突きつけられた。いかにもメディアの喜びそうなことを言ってしまったが、後で聞くと、毎時のニュースで流されてしまったという。ああ、恥ずかし。どうも、期待されている発言を、ついつい期待されるがままに言ってしまうのが、僕の欠点である。


 数年前、10分ほど、カメラに向かって一方的に話す番組に出演する。後でテレビを見て、われながらおぞましいと思った。スタジオに行き、ドーランを塗りたくられ、いきなりカメラに向かってとうとうと話した。どう考えても不自然であるが、カメラを向けられると、ついつい何か話してしまう。これがテレビだと思った。


 いや、テレビとはたいへんな世界だと思う。自分の思ってもいないことを口ばしらないためにも、テレビのなかの世界を、遠巻きに眺めるのが無難である、やっぱり。