地方政治

 僕はフランス政治が専門だが、日本の地方政治についても、日々興味が増している。釜石や福井などで、地域の政治のことを見聞きしているのが、大きなきっかけになっていることは間違いない。


 おもしろいと思うのは、やはり、国政が議院内閣制なのに、地方自治体は首長と議会がそれぞれ選ばれる、いわゆる二元代表制である、という点にある。これまでの日本の地方政治では、制度は二元代表制だったのに、運用が議院内閣制的であったといえるだろう。ここに来て、本来の二元代表制的側面が強く見られるようになってきた。


 30代の、若い首長が続々選ばれているのも、その現れの一つであろう。彼らはまったく議会内における基盤をもっていない場合が多い。今後、議会との対立が目立つようになるだろう。


 都道県知事のマニフェスト選挙も、対立の焦点となりうる。詳細なマニフェストを掲げて当選した知事が、このマニフェストに従って施策を進めるならば、議会サイドからは自らを軽視・迂回しているという批判が出てくる可能性がある。現に、そういう都道府県もあると聞く。


 今後、首長と議会の関係を含め、各自治体ごとに興味深い展開が見られるかもしれない。


 地方政治は、まだまだ研究の進んでいない分野ではないだろうか。今後が楽しみである。