松代

 長野に行ってきた。先日のエントリでは欠席と書いたI上さんも結局出席され、かなりの豪華メンバーになった。それにしても、I上さんはどこに行っても、人気があるなあ。「週刊子供ニュース」のインパクトはやはり絶大である。


 今回のメンバーで面白かったのは、僕と近い年代の人が集まったこと。65年から68年生まれが、今回の最多数派であった。バブル世代というべきか、スポーツの話をしても、音楽の話をしても、やはり同世代である。研究者、ノンフィクション作家、エッセイストなど仕事は多様だが、話が合って楽しかった。


 いろいろ見学させてもらったのだが、一番興味をひかれたのは、松代大本営終戦直前、来るべき本土決戦に備えるべく、秘密裏に松代に巨大な地下防空壕が建設された。皇室関係や政府諸機関を含む、当時の日本の指導者層が、ここにこもって戦争を継続するつもりであったという。


 行ってみると、その巨大さに驚く。公開されているのはごく一部であるが、地下道が縦横に張り巡らされている。ヘルメットをかぶって地下道を進むと、ひんやりした空気が体を覆う。


 これを作ったのは、地元の人々と、朝鮮人労働者。一日二交代12時間労働という過酷な条件と、粉塵により、多数の犠牲者を出したというが、その正確な情報はわからないままである。


 この地下大本営建設と、沖縄戦には深いかかわりがあったという。敗戦をまじかにこのような巨大な設備を作ろうとした虚しさに、ただただ驚くばかりである。