オーラルヒストリー

 今日は聞き取り調査を行う。これから本格化するオーラルヒストリーの予習として、関係者のお話をうかがったのだ。


 僕は基本的には、自分で話をするより、人の話を聞くのが好きである(といっても、A-sanには、「結婚前はもっと話を聞いてくれる人だと思っていたら、そうでもなかった」と言われたが)。うれしそうに話をしてくれると、こちらもうれしくなる。ときに、僕は人の話を聞く才能があるのかしらん、と思うことさえある(後で、そうでもないことを思い知らされるが)。


 今日は、某中央官庁の重職にある方が取材対象である。雰囲気のある方だが、初めて会った人間に、そう素直にペラペラ話してくれるはずはないだろう。


 それでも、粘り強く話をしているうちに、次第にいろいろ語っていただく。オーラルヒストリー初心者にしては、なかなかではないかとちょっとだけうぬぼれる。


 こちらの関心と、相手側の話したいことが、うまく共鳴した瞬間が一瞬でもあると、オーラルヒストリーはうまく行くのかもしれない。今後が楽しみである。