NHKBS

 NHKのBSに『週刊ブックレビュー』という番組がある。今週の番組で、僕たちの共同研究の出版物を取り上げてもらえると聞いて、朝からテレビの前に陣取る。


 聞くところによると、時間はわずか20秒ほどであるという。一瞬たりとて、よそ見をしてはいけないと、緊張感をもって、テレビに向かう。隣にいるDaichiにも、「いいか、Daichi、父さんたちのあの本がテレビで紹介されるんだぞ」と言い聞かす。


 取り上げてくださるのは、先日座談会をした岸本葉子さん。ありがたいなあ。


 意外に、その瞬間ははやく来た。社会科学が、社会科学として希望という問題に取り組んだこと、そして、その結果、むしろ社会科学自体が問い直される結果になったということを、短い時間のなかで説明して下さる。う〜ん、ありがたいなあ。


 なぜか、そこでアナウンサーが質問。「えっと、それは学術書ですか」。


 岸本さん。「学術書です。4巻本のシリーズの第1巻です」。


 Daichiに「学術書って、何」と聞かれる。「まじめに、一生懸命勉強して書いた本、ってこと」と答える。「もちろん、そうだよね」とDaichi。いいぞ、なかなかいい受け答えだ。


 うん、ともかく、ありがたい。ちょっとうれしい一瞬だった。