ノーマン

 連休中の読書てしては、いろいろな本を読みかけのままでいる。ハーバート・ノーマンの『日本における近代国家の成立』もその一冊だ。


 ノーマンというと、丸山眞男との交流とか、悲劇の外交官として知られている。しかしながら、やはり、彼の本領は、歴史家としてのものである。『クリオの顔』など、何度読んでみても含蓄がある。


 大嶽秀夫の『日本政治と政治学』は、日本政治学の歴史をたどるにあたって、ノーマンの研究からスタートしている。卓見だと思う。占領下の米軍の占領政策にも大きな影響を与えたこの本について、もう少し真剣に考え直してみる必要がある。



 今読み直してみて、政治研究、経済研究、歴史研究の見事な融合がここにある。こういった知的遺産の継承について、あらためて考えてみたいと思っている。