フランス社会党第一書記

 僕も(一応)フランス研究者のはしくれなので、このようなことを告白するのは恥ずかしいのだが、フランス社会党の第一書記にマルティーヌ・オーブリが選ばれていたんだね。ぜんぜん気づかなかった。


 昨年末に選挙があり、この前の大統領選で社会党の候補になったセゴレーヌ・ロワイヤルとの一騎打ちになったという話まではフォローしていた。だけど、票差が僅差になり、投票のやり直しとか何とかで泥仕合になっているという新聞記事を見て、すっかりいやになって関心を失っていたのだ。


 正直いって、ロワイヤルとオーブリ、どちらも好きな政治家であった。ロワイヤルについては、前回の大統領選における(少なくとも選挙戦前半までの)さっそうとした姿が印象深い。ネットを使い、伝統的な党の外部に支持者を拡大しようとする彼女の姿には、新しい時代の左派政治指導者の可能性が感じられた。欧州委員長ドロールの娘であるオーブリについても、社会党の次代を担う女性指導者の印象が強かった。


 が、悲しいことに、どうもいまや、オーブリはカリスマ性に欠け、社会党の保守的幹部たちに担ぎ上げられた無力な指導者というイメージが強いし、ロワイヤルも何だか、安定感に欠けるお騒がせおばさんという印象になってしまった。いったい、どうしてこんなことになったのか、考えてしまう。


 次の大統領選挙も、サルコジが勝ってしまうのだろうか、、、