『孤独のグルメ』

 職場の近くの書店のカウンターには、なぜか谷口ジローの漫画がいつも置いてある。いつもは何となく眺めるだけなのだが、今日はふと思い立って『孤独のグルメ』を買う。

孤独のグルメ (扶桑社文庫)

孤独のグルメ (扶桑社文庫)



 この本、かなり有名な本らしいが、僕ははじめてである。B級グルメというのか、いわゆる特別な料理ではなく、商店街の裏の定食屋、屋台、デパートの屋上といったところが舞台になる。


 主人公は、個人輸入商をやっているという、ややくたびれた中年男性。この主人公、酒は飲めないが、食べることには大いなる情熱をもっている。この主人公が出会う人と食べ物、それから彼のささやかな感慨のようなものが、物語を作っていく。


 なかなか面白い本だが、主人公の回想シーンで、パリで分かれた昔の彼女の話が出てくるのは、あまりにベタだなあ、と思う。


 驚くことに、巻末の原作者の文章には釜石での話が出てくる。そういえば、この本を僕に進めてくれたKさんが、その話をしていたっけ。


 今度、釜石に行くときに、僕も寄ってみよっと。