授賞式

 Sトリー学芸賞の授賞式に行く。いや、何しに行ったのだと言われると困るけど、いちおう昨年の受賞者なので招待状が来たのだ。


 昨年こそちやほやしてもらったが、今年は「あんた誰?」と言われそうな気もしないではない。でも、政治経済部門の受賞者であるDさんとMさんは旧知なので、一言お祝いに出かけた。


 それでもまあ、広い会場を見渡すとちらほらと知人の姿も。おかげで、一人寂しく「ずずずっ」とそばをすすらなないですんだ。


 帰り際に、社会風俗部門受賞のHさんさんとお話できたのもよかった。


 前にこのブログでもとりあげた、磯崎新の本を書かれた方である。この方の前作である安藤忠雄の本以来のファンであるので、うれしくなってお声をおかけした。


 文章の印象からいうと、もう少し年配の方を予想したが、思いがけず若い方であった。話しているうちに、「僕は丹下健三について、否定的にだけ書いたつもりはないです」というお言葉も。そう、丹下の両義性についての叙述も、この本の魅力である。


 思いがけない人とお話できるのも、このような会にでるメリットかもしれない。