病院

 ここのところ、なんだかんだで毎日病院に行っている。大病院と小病院、近代的で工場のような病院と、古びて時間が止まったような病院。そこにいて、空気を吸っているだけで、いろいろ考えてしまう。


 とある大病院のフロントで、『はじめての葬式』という本を必死に読んでいる人がいた。いくらなんでも、それはまずいのではないか、と思ったが、その人なりに必死なのだろう。


 人の生と死が織りなす澱のようなものが積み重なる場所。