ノーベル賞

 今回のノーベル賞受賞でおもしろかったのは、物理賞について、日本では「3人の日本人が受賞」と報道し、アメリカでは「2人の日本人と1人のアメリカ人が受賞」と報道したという話である。なるほど、お一人はアメリカ国籍をもっているのだから、何系であろうとアメリカ人であることは間違いない。これに対し、日本としては、この人を日本人あつかいしないわけにはいかないという。


 もう一つ、中国系アメリカ人の受賞者が「自分はアメリカ人であり、中国人ではない」という報道も面白かった。


 何のために国別の数字を出すのか。その国の研究レベルの高さを示すためであれば、日本の研究機関で働く外国人研究者の受賞者も、日本のものとしてカウントしなければならないはずだ。


 ノーベル賞受賞者というレベルで、日本人というカウント法の自明性が突き崩されたことは、やはり何ごとかを意味しているのだろう。