団地の知人

 将棋で、羽生善治さんが名人位を奪取し、永世名人になったという。まずは、めでたい。


 実をいうと、僕は子どもの頃、羽生さんの近所に住んでいた。ほんの数軒先である。年齢は3歳くらい違うはずだが、とうぜん顔見知りである。彼が将棋の世界で有名になったとき、「あれれ、羽生くんが、、、」と、とても不思議な気分がした。


 僕が住んでいたのは、典型的な郊外団地。思えば、近所にはやはり、後に男闘呼組として売り出す前田耕陽もいた。


 思えば、あの時代の郊外団地というのも、実におもしろい住民構成だったと思う。


 ちなみに、昨年訪れたときは、すっかりがらんとしていた。郊外団地の時代は去ったのだなあと、あらためて感じた。