まちおこし

 F県からの帰路、まちおこしで有名なN市による。寂れかかった町の一隅の建物の保存からスタートし、やがて100の閉じた商店のシャッターを開けさせ、年間200万人を越える観光客の訪れる町にした、この道では伝説的な成功物語である。


 日本各地から視察が押し寄せ、毎日毎日、案内をしているだろう、NPOの理事長さんであるが、それでも話は熱い。最初に立ち上がり、自腹を切って運動を進めた人たちを支えた情念は何であったのか、そのとき、自治体や地元商店街はどのような対応をしたのか、なかなか微妙な話を含むのだが、それだけにリアリティがあった。


 それにしても、日本最大の湖のそばに拡がる風景が美しい。ローカル電車にのりながら、雨に煙る田んぼと町々をぼんやり見ながら、初めてなのに何だか懐かしさを感じさせる風景だな、と思った。