土曜の昼の夢想

 土曜日はDaichiのプールの日である。水着に着替えさせ、先生に引き渡した後はフリータイム。しばらくDaichiたちがはしゃいでいる姿を見届けた後、読書時間となる。更衣室の外の廊下は、ちょっと蒸し暑いけど、わりと穏やかな環境である。原始キリスト教についての研究書を開いて、しばし、新約聖書が編纂された時代に思いをはせる。そう、イエスの死後、その生涯の意味づけをめぐって、残された教団の複数の勢力が競い合って解釈論を展開し、その角逐の中から新約聖書が形成される時期のことである。この時代、ローマ帝国によって、地中海世界では一種のグローバリズムが展開する。このグローバリズムによって、無国籍化した都市住民たちの間で、キリスト教は思いもかけぬ発展を見せる。現在のグローバリズムにも通じる話だなあ、などと感慨深く思っていると、、、、


 まわりでは、お母さんたちの井戸端会談が次第に盛り上がりを見せていく。まあ、いろいろあるわけだねえ。なんだか次第にひっぱりこまれ、最終的には、乳ガンについての傾向と対策について、一通り学習することとなった。いや、毎年の検診だけでは、安心できないわけだな。よくわかったよ。


 現在のグローバリズムの下、新たなるモラルはどのように形成されるのか、という土曜の昼の夢想は、何ごとも日頃のチェックががやはり重要であるという教訓によって、導かれていくのであった、、、