教養企業人

 昨日は、日本を代表する某企業の方たちと飲んだ。全員、僕より上の年代だけど、彼らの勉強熱心さには驚く。飲んで、元気になるにつれ、(僕がいうのも失礼であるが)話が青臭いくらい理念的になる。そのうちの一人は、休みに「やはり『資本論』だ!」と思い、島に一人で行ってずっと読んでいたという(奥さんには愛人でもいるのでは、と疑いをかけられたらしい)。このように書くと、いささかペダンティックな感じがするかもしれないが、ご当人はいたってまじめな顔をしてそう言う。


 そういえば、東芝の社長は丸山門下の政治思想史研究者で博士課程までいったというしなあ(修士論文が『思想』にのっているらしい)。ある世代までの企業人には、おどろくような教養人がときどきいる。そういう人を受け入れてきた、日本の企業というのも何だか不思議である。