宇野弘蔵とバルト
この冬休み、予想された事態ではあるが、残念ながらあまり勉強はできなかった。合間にわずかながら読んだ本の中で印象深かったのは、昨年に引き続き佐藤優であった。『国家論』(NHKブックス)である。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2007/12/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「国家と社会は区別できるが分離できない」という主テーマを軸に、宇野弘蔵、アーネスト・ゲルナー、柄谷行人、カール・バルトらの本を読みといていく。
議論は強引さが目立ち、論旨を追いにくい部分も多々ある。ただ、毎度のことであるが、彼の持つ知的な迫力には圧倒される。彼の知的足腰は聖書とマルクスから来ているわけだが、彼の独自の説得力もまた、その二つに対する独特な読解から来ている。
今春の読書は、宇野弘蔵とバルトから始めようかな、などと思わせるのが、佐藤優のパワーである。二年続けて、彼のパワーから一年が始まる。