構造主義

 フランス現代社会思想の講義。今日は構造主義である。しかし、構造主義とは何か、1回の講義で説明せよと言われるとなかなか難しい。


 そもそもどの本を参考図書にあげるべきか。ドッスの『構造主義の歴史』は、しんどすぎて、自分自身開く気にならない。なんだかんだ言って、浅田彰の『構造と力』は、今読んでみても、なかなか優れた入門書である。でも、しろうとの学部学生さんに話すには、ちょっとつらいかもしれない。橋爪大三郎の『はじめての構造主義』も昔読んだなあ、、、と懐かしく思い、本棚を探すが見つからず。どこに行ったのかしらん。時間がないのでパス。


 内田樹の本もだいぶ読んできたが、『寝ながら学ぶ構造主義』は読んだことがなかった。内田の本の中では比較的早い時期のものだが、いかにも安易そうなイメージがあって、今日まで読まずにいた。が、読んでみると、なかなかよく書けている。う〜む、このおじさん、やっぱり手際がいいのだ。


 結局、講義ではこれまでサルトルの話をずいぶんとしてきたので、彼とレヴィ=ストロースの対決を軸に話す。「自由」「責任」「アンガージュマン」vs「構造」。戦後フランス思想の転換として説明すると、いちばんしっくり来る。でも、話しているうちに、レヴィ=ストロースよりむしろサルトルに共感を覚える自分がいることを発見。う〜む。