江ノ島

 思えば、この一月ほど、土日らしい土日がなかった。今週、ひさしぶりに土日を家で過ごすことになった。昨日は、日中はDaichiと公園で野球をしたり、スイミングスクールに行ったり。そして夜は野球観戦。今日は久しぶりに遠出し、江ノ島に出かけた。


 天気がいいこともあって、江ノ島近辺はたいへんな人出。どこもかしこも、車だらけ。海にはサーファーがいっぱい。なんだか、波の上に、たくさんカラスがいるみたい。


 Daichiは浜辺でキャッチボールするおにいちゃんに心奪われたり、江ノ島への連絡橋の脇でやっていたドラゴンレース(竜の形をした舟のレース)を見つめたり。なかなか江ノ島にたどり着かない。ちょうどいいことに、舟が出ていて、江ノ島の裏側にまで回ってくれる。それにのってようやく江ノ島にたどりつく。


 江ノ島の裏側は、けっこう急な岸壁沿いの登山道である。ふだんは恐がりなDaichiは、他の子につられて、岩場をロッククライミングのように登り出す。さすがにちょっと怖かったらしい。でも、勇気をふりしぼって、一歩一歩登っていく。まあ、本人も怖いだろうけど、その後をくっついていく方もけっこう怖いのだ。ようやく上まで登る。よほど達成感があったのだろう。以後、「怖くなかったよ。でも、まあ、ちょっと難しかったけどね」と何度も何度もうれしそうに語る。ふ〜む、彼なりの成功体験なんだな。笑っちゃいけない。「そうだねえ〜、たいしたもんだねえ」と、そのたびに相づちをうつ。


 登山路の途中の茶屋からの景色がすばらしかった。秋の光にきらきら輝く海を一望の下に見わたす。「すばらしいなあ」と感動する両親の脇で、Daichiは、「うん、やっぱりちょっと難しかったんだけどね、、、」と語り続けるのであった。