村上春樹2

 今晩、とある新聞社の記者の方と飲んでいて、「実は村上春樹ノーベル賞をとったら、ということで準備していたんですが、、、」という話になった。いや、おもしろそうな話だな、と思っていたら、いきなり「実は僕、村上春樹って、あんまり知らないんです。何がおもしろいんですか」と聞かれてしまった。


 いや、そんな、内田樹さんの本でも読んで、と言いたかったが、どうもいきなり聞かれると、上手く答えるのは難しい。


 「いやあ、主人公は、なんだか原因はわからないですけど、最初から決定的に「損なわれている」わけです。奥さんがいなくなっちゃたり、なんかを探さなくなければならなくなったり、、、」。「でも、それを埋め合わせるものなんて、結局ないんです。だから最後まで話は大団円をむかえないんです」。「でも、その「何かがすでに決定的に損なわれている」状況のなかで、主人公はそれなりに健全にやっていくんです。それが現代社会を生きる人間にとってのメタファーなんです。ついでにいうと、だから村上春樹はマラソンをするんです(?)」というようなことを、しどろもどろ話した。当然のことながら、「???」という顔をしていた。


 まあ、そりゃ、そうだろうな。でも、そんなこと、いきなり聞く方がわるいんだよ。うん、こちらも説明能力ないけどさ、、、でも、、、ねえ、、、、