『大学という病』
- 作者: 竹内洋
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
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それにしても、大学教員にとって危機の時代というのは、50代なのかな。今の時代、40代からすでに危機という気もするけど。
意外であり、面白くもあるのが、言わばこの本での悪役である土方成美に対して、著者が本の最後になって思いのほか共感的であること。土方を狂言回しとして、彼の口を借りて、本をしめくくらせている。ある意味、「偉人」であった河合や大森よりも、むしろ土方の方に人間味を感じているのだろうか。
あと、戦後の民社党周辺のブレインたちが、河合人脈というのも面白いと思う。猪木正道、関嘉彦、蝋山政道などなど、、、河合のリベラリズムからイギリス社会主義へとつながる路線が、マルクス主義と対抗する一つの潮流を作ったというわけだ。民社党という政党がたどった末路はともかくとして、こういう知的な流れについて、それなりに考えてみたいとは思う。