日本のコンスティテューション

 飯尾潤『日本の統治構造』(中公新書)を読む。これまでの飯尾さんの著作とは違い、具体的な政治過程や政策論議ではなく、むしろ日本の政治システムを骨太に概観している。近年日本の首相の大統領化が語られることも多いが、この本は個別的な側面ではなく、あくまで日本のコンスティテューション(憲法というより、この場合は国制と訳すべきであろう)の中で位置づけている。伝統的な「仕切られた多元主義」論や、「官僚支配」あるいは「政治の優位」論などを一つひとつ覆し、歴史的な変化の中で相対化しているのも興味深い。参院選を前に、議院内閣制とは何か、二院制の意味は、そして三権分立の可能性などについて、この国の「かたち」を反省するのに役立つ本だと思う。


 そういえば、先日Iさんとひょんなところで再会した(急に仮名にしてもしょうがないが)。う〜む、報道ステーションなどでよくお姿を拝見するが、あのままであった。しかも、ある意味すごいのは、僕がIさんと最初に会った20年ほど前も、やはりあのままだったということだ。つまり、僕の目に映る限り、Iさんという人は20年前からぜんぜん変わっていないのだ。いや、すごい人なのだ。