フランス語

 明日、僕は日×会館というところで、「英語だけでいいのか?」というシンポジウムで話すことになっている。いや、はっきり言って、「英語すら大丈夫か?」な僕としては、なぜ、こんなところに行って、フランス語のために一席ぶたなければならないのか、かなり疑問なのではあるが、、、


 思いおこせば、僕がフランス語と出会ったのは、教養課程の第二外国語であった。正直言って、まるでやる気のなかった僕は、担当教師が初回に「やる気のある人は『ロワイヤル』を、そうでない人は『プチ・ロワイヤル』を買うように(どちらも辞書の名前、前者は本格派、後者は初心者用のダイジェスト版)」と言われた際に、迷わずに『プチ』の方を買った口である。そのとき、まさか将来日×会館で、フランス語について語る日が来るとは思ってもいなかった。


 それも考えてみると、僕のフランス語の最初の教師は渡辺守章さんであった。いやあ、だいぶ上等すぎる先生だったなあ、と思う。しかしこの渡辺先生、途中でいなくなってしまい、ピンチヒッターとして現れたのが小林康夫さんであった、むむむ、、、でも、この小林先生、プルーストの一節を全員に暗唱させて、それでおしまいだったから、実にいい教師だったというべきか、、、、


 いかんいかん、フランス語を学ぶことは今の時代にあって、きわめて重要であると言わなければなるまい。それがお約束というものである。いや、ほんとうにそう思っているのだけれど、なんと言っていいのやら、、、